再会の夏 since 2004.7.31     by TOMIY27様
兵庫県・西ノ宮での用事が終わったのが四時過ぎ。阪神とJRを乗り継いでユニバーサルシティ駅に向かう。GLAY EXPO 2004から、ちょうど1年目の今日。あの日、巨大なステージが立っていた駐車場には、10万人の観客に代わって、観光バスと車で埋め尽くされている。99年の幕張のEXPOの会場跡にも1年後には、ファンがたくさんやってきたと聞いていた。同じように今日も、USJのシンボルの地球儀、ユニバーサルグローブの前や駐車場に、コスプレやグッズのTシャツを身に付けたファンの姿をちらほらと見つける。皆、かく言う自分もカメラと、TERUが参加している「ほっとけないキャンペーン」のホワイトバンドを片手に持っている。

パークに隣接する、ユニバーサルシティのハードロックカフェでは、店内放送で昨年のEXPOのDVDを流して、「ファンの方もファンではない方も楽しんで下さい!」とファンを盛り上げている。私が入った時に流れていたのはEXPO前夜祭の「HOWEVER」とEXPO当日の「I'm in Love」。前夜祭の夏の夕暮れから染み出したような、絶妙の間で始まった「HOWEVER」と、私がGLAYで一番好きな「I'm in Love」。1年の時を経て、EXPOを追体験した。

1年前と同じような事で悩んでいる私は駐車場を見てまわってから、その側のベンチに座り、ぼんやりと、それについて考えてみるが集中できない。「去年の今ごろは何を歌ってたのかな?」、そんな思いは1日中続いた。

ユニバーサルグローブの前では、ファン同士が「ハイコミュニケーション」を合言葉に記念写真を撮り合っている。これも、1年前と同じ光景だ。思い切って、その中の2人、JIROコスとHISASHIコスに話し掛けてみる。滋賀と和歌山に住む二人。1年前はなんと、ステージ前A2ブロックだったらしい。お互いのファン歴や、ライブ歴、そして去年の今日について語り合った。全く知らない者同士なのに、一つの思い出を共有している、1年前の今日、同じ場所に居ただけだというのに、長年の友達のような気安さが生まれる。話す間にも、他のファンや観光客が2人に名刺交換や、記念写真を求めてくる。「今日一日で、えらい外人にモテた」と2人は苦笑する。外人の観光客の前では他のコスプレと一緒に「GLAY」の人文字を作って、「グローバルコミュニケーション!」とガッツポーズをする。幸せな眺めだと思った。去年の今日も同じような景色を見た。「HOWEVER」のサビでTERUが詰まった時だ。TERUが詰まった瞬間、客席から感動とも、悲鳴ともつかない声が上がり、TERUの代わりに、客席がサビを合唱する。あの時、回りを見回してみると、多くのファンが涙を流していた。そして、そんな涙と、GLAYが歩んできた10年を励ますような、優しいギターで始まった、「I'm in Love」の10万人の涙と笑顔。その光景、その涙と笑顔はこの世で一番純粋な、美しい物だと思った。客席もメンバーもスタッフも、皆で一つの物を分けている。凄く美しい関係だと思った。それこそ、GLAYが歌ってきたものであり、これからも歌っていくものなのだろう。その安らぎに触れたくて、皆GLAYの曲を聞き、ライブに行くのかもしれない。

いつかのライブでの再会を約束して2人と別れる。別れ際に撮った記念写メには、自分を合わせた3人の手に、ホワイトバンドが写っていた。去年の今日、私達は、入場券の代わりに黄色のリストバンドを手に巻かれた。今日のホワイトバンドは、今日という記念日の「入場券」なのかもしれない。

帰りの電車、重い心が晴れているのに気付いた。今日と去年の今日に救われた気がした。「あの夏から一番遠い場所」、そう思った。重ねゆく年月の中で、あの日を一番思い出す、思い出せる、そして遠い日にも近い日にも感じられる、EXPOから1年。今日はそんな日だと思った。





GLAYファンのTOMIY27さんが、寄稿してくださったエッセイです。
2004年のGLAY EXPOに参加した人の胸の中には宝石のような思い出のひとかけらができたことでしょう。あの場にいることができなかった自分が、ひどく残念に思えてなりません。
素敵な思い出と追体験と・・・この夏も、そしていつの夏も、すばらしいものでありますように。



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